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自律神経と薬理学

自律神経抹消作用薬

自律神経末梢作用薬という薬があります。名前のとおり、自律神経の異常に対して用いられる薬です。自律神経の末端に直接作用する性質があるので、 このような名称となっています。交感神経と副交感神経のバランスを整えます。自律神経抹消作用薬には主に3種類あります。患者にあらわれる身体症状を見 て、どの薬を使うか決めていきます。その一つがβブロッカーです。ベータ・アドレナリン受容体遮断薬という正式名称で一般にはプロプラノロール塩酸塩など という名前で流通しています。循環器の異常、動悸や不整脈、そして高血圧などの症状に用いられます。

交感神経刺激薬

自律神経抹消作用薬の3種類の薬のうち、2種類目が交感神経興奮薬です。リズミックという名前で、一般にはメチル硫酸アメジ二ウムとして流通して いる自律神経抹消作用薬です。この薬は本態性の低血圧や、いわゆる起立性低血圧に持使います。つまりめまいや立ちくらみなどを起こす患者に有効です。交感 神経を刺激する薬で、心臓が収縮するたびに一度に送る血の量を増やせます。要するに、これは血圧を上昇させる薬なのです。まれに食欲不振を起こしたり、動 悸が激しくなるなどの副作用があります。症候性の低血圧症などにも効き目がある薬です。

メチル硫酸アメジ二ウム(リズミック)

作用

  • 体内で血圧を上げる作用をしているノルアドレナリンが、末梢組織で壊されるのを防ぐことで、血圧上昇作用を持続させます。
  • ノルアドレナリンと競合して交感神経終末に取り込まれる。
  • ノルアドレナリンの神経終末への再取り込みを抑制するとともに神経終末においてノルアドレナリンの不活性化を抑制し、交感神経機能を亢進させる。
  • 交感神経末梢のノルアドレナリンを増加させて神経の伝達をスムーズにして、血管系(α1刺激作用)や心臓系(β1刺激作用)に働いて血圧を上げる。

効能、用途

  • 起立性低血圧
  • 透析中の血圧低下
  • 本態性低血圧

交感神経興奮薬

ノルエピネフリンα1、α2受容体を同程度に作用
β1受容体にも作用するが、β2受容体への作用は非常に弱い。
エピネフリンα1、α2、β1、β2作用ともに強い
フェントラミンなどのα遮断薬を投与後にエピネフリンを投与すると、β2作用のみが現れ、血圧降下をきたす(エピネフリンの血圧反転)
イソプロテレノールβ作用のみを示し、α作用はほぼない
ドパミンドパミン受容体を介して腎と内臓血流を増大する
弱いβ1作用があり、心収縮力、心拍出量を増加。
フェニレフリンα1作用薬
強力な血管収縮作用を現すが、心臓に対する直接作用はない。瞳孔散大筋を収縮させ、散瞳作用を示す。
クロニジンα2作用薬
延髄の血管運動中枢のα2受容体を刺激して、降圧作用。
ドブタミンβ1作用薬
ドパミンの誘導体で、選択的にβ1受容体に作用する。
サルブタモール
プロカテロール
β2作用薬
気管支、子宮、血管などの平滑筋に対する弛緩作用がある。気管支喘息に用いられる。イソプロテレノールより安定でCOMTにより代謝されにくいので、経口投与も可能。
アンフェタミン
メタンフェタミン
間接型作用薬
NEやドパミンの遊離を促進。アミントランスポーターからの取り込みを阻害。MAO阻害。強い交感神経興奮作用と中枢興奮作用を持つ。
チラミン間接型作用薬
神経終末でNEと置換することにより、NEを遊離させる。MAO阻害薬と併用すると、高血圧発作。
エフェドリン混合型作用薬
直接受容体に作用してβ作用を示す。(気管支拡張)神経終末に作用して、NEを遊離させる。耐性を生じやすい。

自律神経抹消作用薬の3種類の薬のうち、2種類目が交感神経興奮薬です。リズミックという名前で、一般にはメチル硫酸アメジ二ウムとして流通して いる自律神経抹消作用薬です。この薬は本態性の低血圧や、いわゆる起立性低血圧に持使います。つまりめまいや立ちくらみなどを起こす患者に有効です。交感 神経を刺激する薬で、心臓が収縮するたびに一度に送る血の量を増やせます。要するに、これは血圧を上昇させる薬なのです。まれに食欲不振を起こしたり、動 悸が激しくなるなどの副作用があります。症候性の低血圧症などにも効き目がある薬です。

メチル硫酸アメジ二ウム(リズミック)
作用

  • 体内で血圧を上げる作用をしているノルアドレナリンが、末梢組織で壊されるのを防ぐことで、血圧上昇作用を持続させます。
  • ノルアドレナリンと競合して交感神経終末に取り込まれる。
  • ノルアドレナリンの神経終末への再取り込みを抑制するとともに神経終末においてノルアドレナリンの不活性化を抑制し、交感神経機能を亢進させる。
  • 交感神経末梢のノルアドレナリンを増加させて神経の伝達をスムーズにして、血管系(α1刺激作用)や心臓系(β1刺激作用)に働いて血圧を上げる。

交感神経遮断薬

心臓や血管の収縮に関わる交感神経への作用を遮断して降圧するのがβ遮断薬、α遮断薬、αβ遮断薬です。

●β遮断薬
主に交感神経の心臓への作用を抑え、血圧を下げます。虚血性心臓病への効果が大きく、頻脈性不整脈や心不全にも有効です。副作用は徐脈やぜんそくの悪化などです。

β遮断薬一覧:http://www.adalat.jp/ja/home/pharmacist/basic/03/t36.php
●α遮断薬
交感神経の血管への作用を抑え血圧を下げます。糖・脂質代謝や、前立腺肥大による排尿障害を改善します。主な副作用は起立性低圧で、立ちくらみに注意が必要です。
α遮断薬一覧:http://www.adalat.jp/ja/home/pharmacist/basic/03/t36.php

レセルピンNEの貯留顆粒への取り込みと結合を阻害
ドパミンの貯蔵顆粒への取り込みを阻害。阻害されたとぱみんは細胞質にてMAOにより分解される。直接型交感神経興奮薬の作用は遮断しない。
グアネチジンNEの遊離を抑制
シナプス小胞体のNEと入れかわり、NEを枯渇させる。直接型交感神経興奮薬の作用は遮断しない。
フェントラミン
トラゾリン
α1、α2受容体遮断薬
末梢循環障害に適応(レイノー症候群)褐色細胞腫の診断。
麦角アルカロイドα1、α2受容体遮断薬
偏頭痛に適応。逆に、平滑筋などにはα刺激作用もある。
プラゾシンα1受容体遮断薬
高血圧症に適応。
ヨヒンビンα2受容体遮断薬
催いん薬としては有名だが、臨床では使用されない。
ジクロロイソプロテレノール
プロプラノロール
ピンドロール
β1、β2受容体遮断薬
β1遮断作用として、心拍数、心拍出量の減少による血圧降下、心筋O需要減少に
よる狭心症治療。レニン分泌抑制。β2遮断作用として、気管支拡張を抑制。
(副)気管支喘息の誘発・悪化(β2遮断)、心不全(β1遮断)、低血糖(β2を介するグリコーゲン分解抑制)、四肢冷却(β2遮断)。
アテノロール
メトプロロール
β1受容体遮断薬
本態性高血圧に適応。
ブトキサミンβ2受容体遮断薬
ラベタロールα、β受容体遮断薬
α1受容体遮断作用により血管が拡張されるが、β1遮断作用を持つため反射性頻脈が起こらない。

副交感神経興奮薬

アセチルコリン直接作用型(ムスカリン受容体を直接作用)
小量投与でムスカリン様作用を示すが、大量投与でニコチン様作用を示す。(副腎皮質からのエピネフリン遊離による)
ベタネコール合成コリンエステル類。
直接作用型(ムスカリン受容体を直接作用)
。ムスカリン作用のみを示す。
ムスカリン
ピロカルピン
アルカロイド類。
直接作用型(ムスカリン受容体を直接作用)。ピロカルピンは毛様体筋を収縮させ、シュレム管を開かせて眼内圧を低下させる。緑内障に用いる。
フィゾスチグミン関節作用型(可逆的コリネステラーゼ阻害薬)
第3アミンなのでBBBを通過して中枢興奮作用を示す。神経筋接合部のAch受容体(ニコチン性)に対し、直接興奮作用を持つ。アトロピン、ツボクラリンの解毒に用いる。
ネオスチグミン関節作用型(可逆的コリネステラーゼ阻害薬)
4°アンモニウムなので、BBBを通過せず、中枢作用はない。神経筋接合部のAch受容体(ニコチン性)に対し、直接興奮作用を持つ。アトロピン、ツボクラリンの解毒に用いる。
有機リン化合物
サリン
パラチオン
関節作用型(非可逆的コリネステラーゼ阻害薬)

副交感神経興奮剤。コリン作用薬あるいはコリン作動薬ともいう。副交感神経節および節前・節後線維はすべてアセチルコリンによって作動している。 したがって、副交感神経を刺激させる薬物としてはアセチルコリンがあげられるが、アセチルコリンと類似の作用をもつ薬物(合成コリンエステル類)およびア ルカロイド類、アセチルコリンを分解するコリンエステラーゼを阻害する薬物も同じ作用を示す。すなわち、アセチルコリン、メタコリン、塩化ベタネコール、 塩化カルプロニウム、ナパジシル酸アクラトニウム、塩酸ピロカルピン、サリチル酸フィゾスチグミン、ネオスチグミン、塩化アンベノニウム、塩化エドロホニ ウム、臭化水素酸ガランタミン、臭化ジスチグミン、塩化ピリドスチグミンなどがある。
副交感神経興奮剤は、一般的に胃アトニーなど副交感神経緊張の低下した消化器疾患に対してアセチルコリン、ベタネコール、カルプロニウム、アク ラトニウムが用いられ、ピロカルピンは縮瞳(しゅくどう)薬として、また緑内障の治療薬として点眼で用いられ、ネオスチグミンは腸管の蠕動(ぜんどう)を よくするほか、筋無力症の治療にも用いられる。アンベノニウム、エドロホニウム、ジスチグミン、ピリドスチグミンはいずれも重症筋無力症の治療薬として用いられる。

副交感神経遮断薬

アトロピンベラドンナアルカロイド。
副交感神経の節後繊維末端のシナプスでAch受容体(ムスカリン受容体)に作用して、Achと競合し、Achによる効果器の脱分極を抑制
散瞳薬として用いられる。緑内障、前立腺肥大症に禁忌(副)口渇、眼圧上昇
スコポラミンベラドンナアルカロイド。
BBBを通過しやすく、中枢作用があらわれる。
プロパンテリン合成アトロピン類似薬
抗ムスカリン作用に加えて、神経節遮断作用を有する。
メペンゾラート合成アトロピン類似薬。
過敏性大腸炎に応用。

コリン遮断薬あるいは抗コリン作動薬ともいう。アセチルコリンの副交感神経節後線維の末端での作用をムスカリン様作用といい、これに拮抗(きっこう)するのがアトロピンである。したがって、副交感神経遮断薬の代表的薬物はアトロピンであり、この種の薬剤は鎮痙(ちんけい)剤として、また消化性潰瘍(かいよう)治療薬として繁用されている。硫酸アトロピンは瞳孔(どうこう)散大、眼圧亢進(こうしん)、分泌腺(せん)機能低下、平滑筋諸器官の弛緩(しかん)、心拍数増などの薬理作用をもち、胆石(たんせき)や腎(じん)石の仙痛、胃・腸・膀胱(ぼうこう)・尿道などのけいれん性疼痛(とうつう)、消化性潰瘍、胃酸分泌過多、有機リン中毒、副交感神経興奮剤中毒などを適応とし、アトロピンを有効成分とするロートエキスもよく用いられている。なお、アトロピン類似化合物およびアトロピンの化学構造から新たに合成された消化性潰瘍剤として第三級アンモニウム塩や第四級アンモニウム塩が多く開発された。類似化合物としては臭化ブチルスコポラミン、塩化メチルアトロピンなどがあり、そのほか臭化メチルベナクチジウム、臭化プロバンテリンをはじめとする多くの抗コリン作動薬が市販されている。

ブスコパン、一般名は臭化プチルスコポラミンというのが副交感神経遮断薬です。特徴としては副交感神経の興奮をおさえる役目があります。胃腸の緊 張なども緩和できるので腹痛や下痢にも効き目があります。他にも吐き気などにも使われ、頭痛や低血圧などの症状にも役に立ちます。立ちくらみにも使えます が、まれにリラックス状態が過多になり眠くなったりふらつくことなどもあります。目の調節障害を起こすこともあるので車の運転前は使えません。血管の末端 をリラックスさせて、血圧を下げて、興奮状態を緩和するような働きをする薬です。

自律神経抹消作用薬とは

自律神経末梢作用薬という薬があります。名前のとおり、自律神経の異常に対して用いられる薬です。自律神経の末端に直接作用する性質があるので、 このような名称となっています。交感神経と副交感神経のバランスを整えます。自律神経抹消作用薬には主に3種類あります。患者にあらわれる身体症状を見 て、どの薬を使うか決めていきます。その一つがβブロッカーです。ベータ・アドレナリン受容体遮断薬という正式名称で一般にはプロプラノロール塩酸塩など という名前で流通しています。循環器の異常、動悸や不整脈、そして高血圧などの症状に用いられます。

自律神経節作用薬

節遮断薬によって、優位な神経の興奮効果が遮断される。

ヘキサメトニウム競合的節遮断薬
血管:交感神経節遮断作用を示し、血管拡張。
心臓:副交感神経節遮断作用を示し、心抑制。
消化器:副交感神経節遮断作用を示し、消化器運動抑制。
膀胱:副交感神経節遮断作用を示し、尿貯留。
ニコチン脱分極性節遮断薬
初期に興奮、次いで遮断的に働く。

自律神経失調によく使用する漢方薬

●虚証・・・一般的に体力がなく疲れやすい人で、体格はやせ形~中型です。
( 体力のある人でも過労や病後で一時的に虚証になる場合があります。)

●実証・・・体格が良く体力もあり、声も大きく、胃腸が丈夫な方

虚証~中証

気虚型(食欲不振、やる気低下、うつ症状などの症状を伴う)

・補中益気湯(ほちゅえきとう)

元々、胃腸虚弱な人で、無気力や食欲不振に使用します。

・桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

元々、胃腸虚弱な人で、ストレスなどによって精神不安や神経症、不眠症などに使用します。

・加味帰脾湯(かみきひとう)

元々、貧血のある人で、過度の精神疲労による不安感、うつ症状に使用します。

・柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)

元々、胃腸虚弱な神経質な人で、頭汗や口の渇き、動悸、不眠などがある方に使用します。

気滞型(不安感、気うつ、不眠などの症状を伴う)

・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

神経質で生真面目な人で、神経症や不安感、不眠症に使用します。のどの異物感や胸の圧迫感、動悸、声が出にくいなどの症状を伴う場合が多いです。

・香蘇散(こうそさん)

内気な性格の人で、ストレスが発散できずに気うつな気分になっている方、耳がふさがったような症状に使用します。

・柴朴湯(さいぼくとう)

半夏厚朴湯と小柴胡湯が合わさった漢方薬で、半夏厚朴湯の症状を伴い、プラス口の苦みや食欲不振、胸から脇にかけて張ったような感じや痛みがある不安神経症に使用します。

気上昇型(のぼせ、イライラ、不眠、頭痛、めまいなどの症状を伴う)

・加味逍遥散(かみしょうようさん)

せっかちで気分の変動が多い人で、イライラや頭痛、不眠症、肩こり、更年期障害などに使用します。便秘気味の方が多いです。

・抑肝散(よくかんさん)

過敏体質で怒りっぽく、せっかちな人で、神経の高ぶりによる不眠症、イライラ、頭痛、被害妄想、、更年 期障害に使用します。

・抑肝散加陳皮半夏 (よくかんさんかちんぴはんげ)

抑肝散と同様の体質、症状で、胃もたれをしやすい胃腸が弱い方に使用します。

・釣藤散(ちょうとうさん)

イライラや頭痛、めまい、耳鳴り、不眠、神経症などがある中高年の血圧が高めの方に使用します。

・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

冷えのぼせがあり、顔が赤く、めまいや身体動揺感がある場合に使用します。

実証

気上昇型(イライラ、不眠、頭痛、めまいなどの症状を伴う)

・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

熱症状を鎮める漢方薬であるため、冷えを訴えることはなく基本的に暑がりで顔は赤っぽいのが特徴です。
実熱による炎症、興奮を伴った症状、胃炎、イライラ、不眠、不安焦燥感、高血圧などに使用します。

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

血のつまりをほぐす漢方薬で、血のつまりから来る諸症状に使用します。
筋肉質で体が硬く、冷えのぼせがあり、肩こりが強いのが特徴です。このうような方であれば、頭痛、イライラ、更年期障害、生理痛など様々な症状に使用できます。

・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

上記の桂枝茯苓丸と使用するタイプは似ています。違う点は便秘があるという点です。

気過剰型(イライラ、みぞおちの張り、不眠などの症状を伴う)

・柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

体格がよくて体力のある人で、みぞおちの辺りの張りを伴う様々な精神神経症状、精神不安、不眠、のぼせ、イライラ、動悸などに使用します。

自律神経と薬理学の動画

Autonomic Nervous system Pharmacology

自律神経と薬理学スライド

 
 
 
 
 
 
 

末武 信宏Nobuhiro Suetake

医師・医学博士
さかえクリニック院長
第88回日本美容外科学会会長
日本美容外科学会認定専門医
順天堂大学医学部病院管理学非常勤講師
一般社団法人 先端医科学ウェルネスアカデミー副代表理事
一般社団法人 日本美容内科学会理事
サイエンス・アーティスト

監修者紹介