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最適パフォーマンス訓練の為のバイオフィードバックプログラム:East Carolina 大学 と米海兵隊負傷兵大隊イーストの共同プログラム 負傷兵:トラウマの克服
Carmen Russoniello, PhD, LRL LPC,I Matt Fish, BS,l Jennifer Parks, BS, LRT1 John Rhodes, BS,1
Bennie Stover, BS,l Holly Patton,l Ginger Gold, EdD,’and Tami Maes, LRT, BCnCa
イラク戦争の典型的負傷は、外傷性脳損傷とPTSDである。海兵隊員と海軍衛生兵の負傷した帰還兵の症状に緊急に対処する必要から、米国海兵隊とEast Carolina大学の心理学研究所・バイオフィードバック クリニックは合意書を交わし、East Carolina大学は2008年2月から治療・訓練サービスを開始した(因みに米海兵隊の第2師団はノースカロライナ州にある)。
これはバイオフィードバック訓練を使った最適パフォーマンスの為のもので、海兵隊員と海軍衛生兵はバーチャルリアルティー、認知再訓練、ニューロフィードバック、心拍変動、人間関係改善、リジリエンシー回復訓練、等に徐々に慣れていく為のプロトコルに参加する。予備テストの結果は、このアプローチが外傷性脳損傷とPTSD症の改善に効果がある事を示唆している。
背景
米海兵隊は、戦闘に最初に送り込まれる小さなエリート戦闘部隊である。この事は、戦闘で死亡もしくは負傷した人数を統計的にみると頷ける。通常の戦闘とIED(手製爆弾)で多くの海兵隊員がイラクとアフガニスタンで負傷した。戦争における負傷は、弾丸や爆弾の破片による負傷、敵のIEDや迫撃砲による猛烈な衝撃や、接近戦での爆風による極度の肉体的損傷で、悲惨である。これら複数の要素が外傷的脳損傷の大きな原因であり、海兵隊の負傷兵の多くがこれに相当する。
戦場で海兵隊員の医療ケアをするのは海軍衛生兵である。これら「戦場の医師」は、海兵隊員にとって必要不可欠の存在であり、事実、海兵隊歩兵部隊の組織の一部になっている。彼らの主な任務は、海兵隊員を生かし、健康な状態に保つ事である。戦闘において衛生兵は、自らの生命を常に危険に晒して負傷した海兵隊員の場所まで移動してケアする。彼らは任務遂行にあたって、彼ら自身弾丸や爆弾の破片や爆風によって負傷し、PTSDのような戦争からの損傷を蒙ることになる。
初期評価
ストレステストは、ベースライン(基準)となる5分間テスト、20分間の連続パフォーマンステスト(TOVA)、5分間の休憩、5分間のトラウマ的記憶力、5分間の休憩、1分間の起立性高血圧テスト、5分間の休憩、から構成される。測定は、脳波、HRV(心拍変動)、皮膚伝導電流、呼吸、皮膚温度について行った。
認知訓練
PTSDとTBIの改善を成功させるには、認知再訓練と同様にバイオフィードバック訓練が欠かせない。
HRV(心拍変動)バイオフィードバック訓練
HRV(心拍変動)バイオフィードバック訓練
RSA(呼吸性洞性不整脈)は、心血管系と呼吸系のリズムの同調を作り出す重要な生理的メカニズムである。RSAを成功させるということは、心臓呼吸バランスの改善を促進するということである。これまで、自律神経失調はいくつかの医学的状態に関連付けられてきたが、事実、糖尿病、心疾患、不安症、うつ病などの慢性的症状の原因となっている(Task Force of the European Society of Cardiology and the North American Society of Pacing and Electrophysiology, 1996)。
RSAは、中枢で調整される心臓迷走神経と交感神経の遠心性の活動を介して、呼吸により調整される。例えば、脈拍数は吸気で増加し、同様に呼気で減少する。
従って、RSAは直接的に呼吸の位相に関連している(Axelrod et al., 1981)。今日の理論では、RSAの改善はおそらく自律神経に関連する状態の改善につながり、病気によるRSAの欠損は、生物学的に重要な振動子間の連結に損傷が起こった結果であるとしている。その為、この連結を回復もしくは増強する介入の開発が推奨された(Wilkinson et al., 1998)。研究チームの一つは、RSA訓練により圧受容体反射興奮が起こり、電気的迷走神経興奮に似た効果を起こす可能性があると示唆している(Vaschillo, Lehrer, Rishe, & Konstantinov, 2002).このことは、臨床的うつ病のような症状に対して低コストで、しかも最低のリスクで効果があるというころになる(Musseleman, Evans, & Nemeroff, 1009)。
RSA訓練が(HRV訓練とも呼ばれている)介入テクニックとしてとして使われた最近の研究で(Karavides et al., 2007)、被験者が自身の同調周波数で呼吸することにより自律神経訓練ができることが証明されている。訓練の結果、うつ症状が軽減されている。被験者はセッション中、同調周波数もしくはその近辺で呼吸することによりHRV(心拍変動)を増加、維持させることができるようになったことをデータは示している。
出典資料:Biocom社
関連:BIOFEEDBACK ARTICLE Special Issue:Advances in the Use of Biofeedback and Neurofeedback for Post Traumatic Stress Disorder


