
コンテンツ
- 1 HRVの定義
- 2 HRVの歴史的概略
- 3 近代的HRVの確立
- 4 HRV の基礎‐データソース
- 5 HRVの基礎- ECG と PPG
- 6 HRV の基礎-信号処理
- 7 HRV の基礎-アーチファクト除去
- 8 HRV の基礎-時間領域解析
- 9 HRVの基礎-周波数領域解析
- 10 HRVの基礎-健常値(範囲)
- 11 HRVの基礎-短時間、長時間
- 12 HRVアルゴリズムと測定器-妥当性検証
- 13 HRVとANSの関係
- 14 ANS評価の重要性
- 15 HRVの標準化-1996年特別委員会によるガイドライン
- 16 HRVアプリケーション‐バイオメディカル研究と臨床応用
- 17 HRVの将来-モバイル機器
- 18 HRVの将来-ANSとストレスモニタリング
- 19 HRVの将来-HRVバイオフィードバック
- 20 HRVの将来-健康評価の新しい方法
- 21 HRVの将来-動物の健康評価の為のツール
- 22 結論
HRVの定義

HRV(心拍変動)は、神経系と代謝系の調節によって継続的に変化する心拍間隔だと言えます。HRVはバイオメディカル(生体医学)と臨床応用において比較的新しい分野でありますが、その科学的、医学的価値は非常に早いスピードで認められてきています。
HRVの歴史的概略

歴史的に見ますと、安定した心拍は健康な状態の表れであると長い間信じられていました。
ECG記録器が発明される前の数世紀にわたって、心拍は感情、運動、呼吸、睡眠などの多くの要素によって影響される事が知られていましたが、心拍変動を周期性を持つ生理学的プロセスとは考えてはいませんでした。
その為、ECG記録器を使って心拍の時間的間隔が非常に正確に測定する事が可能になった当初も、心拍間隔の僅かな変化は、生理学的な意味を持たないノイズ
として、ほとんどの医療機器は、その測定においてフィルタを使って除去していました。
近代的HRVの確立
1960年初期になってようやく、HRVに関する系統的なバイオメディカル研究が開始されました。
ロシアにおいて、宇宙飛行士の訓練プロジェクトに関わっていた医学研究者たちは、宇宙飛行士たちがストレスの多いプロトコルをこなす時にHRVが大きく減少し、プロトコル終了後増加(回復)する事を発見しました。この事から、HRVがストレスに対して変化する自律神経調節反応である事が注目されました。
以来、世界中の多くの研究者による、HRV現象、その生理学的意味、臨床応用の妥当性に関する研究が始まりました。
1996年、HRV研究とその臨床応用に関する標準化を図る為に、「特別委員会」が組織され、1.HRVの名称、用語とその定義、 2.測定方法の基準 3.生理学的、病理学的解釈 4.臨床応用への妥当性と将来の研究分野に関するガイドラインが発表されました。
この事から、HRVは医学的および研究用ツールとしての妥当性を持つ事になり、医学教育におけるカリキュラムにも加えられるようになりました。
HRV の基礎‐データソース
HRVは、連続する心拍の時間的間隔(時系列データ)に特別な解析を適用する事によって得られます。
心拍間隔を正確に記録する為の生理学的信号として、もっとも確立されているのは、ECGとPPG(脈波信号)です。
ECGは、洞房結節と呼ばれる固有のペースメーカーから発生される電気信号が、心臓収縮時に心筋に広がっていく時の電気的インパルスが明確な波形を示す事から、ECG波形から得られる隣接するピーク間の時間的間隔を測定し、心拍間隔とします。ECG信号は、身体の胸部もしくは肢部に電極を取り付けて測定し、電子機器を使ってシグナルを増幅します。
PPGは、指や耳たぶなどの毛細血管に赤外線を照射する時に認識される血流量の変化を反映する信号です。この血流量の変化が明確な波形を作る事から、脈波が確認できます。この波形を数学的に処理し、脈波間隔を測定する事ができます。
HRVの基礎- ECG と PPG
このようにECG信号は、正常な心拍リズムの発生源という観点からは、洞房結節の活動を直接に反映するものです。心拍リズムに影響を与える全ての要素はこの洞結節に影響し、従って心拍リズムパターンを変化させます。ECGはこれらの理由から、HRV評価を行う場合の「ゴールデンスタンダード=最適基準」と考えられています。その為、HRVに究極の正確さ求める研究者は、彼らが使うプロトコルにECGを選択します。
PPG信号は、心臓の収縮に伴って末梢血管へ移動する血流がつくり出すパルスを反映します。その為、心拍リズムをつくり出す発生源の活動を純粋な意味では直接的に反映しません。血管(動脈)壁のトーナスの変化が、僅かですがパルス波とパルス波の間の時間的間隔に影響を与えます。
ところが、測定上の簡便さから考えると、PPGの方がECGより優っている為、PPGから測定されたHRVがECGのそれに比べて十分に正確かどうかの疑問が起こります。これまで、この点に関する調査が幾つが行なわれています。例として、ECUで行われた比較テストをご紹介します。このようにこれまでに行われた全ての比較テストは、ECGとPPGで測定されたHRV指標のほとんどに非常に高い相関関係がある事が分かっています。(A comparison of ECG vs PPG):グラフ①
この事から、臨床用や、一般消費者向けなど多くのアプリケーションにPPGを使う妥当性が認められています。
HRV の基礎-信号処理
HRV評価の最初のステップは、ECGもしくはPPGの生の信号を取り込みから始まります。
次に、特定のアルゴリズムを使ってこれらの信号処理が行われます。
信号処理の最初のステップは、ゆっくりとした基線動揺のドリフト(激しい呼吸、発汗、便意のもようし等に原因する)および高周波ノイズをフィルタリングを使って除去し、信号の調整をします。
次に、特定のアルゴリズムを使って心拍間隔を計算します。
ECGのアルゴリズムは、心電図のQRSコンプレックスの中から、個々の心拍を確認する上でもっとも認識しやすいRピークを基準点として探します。
PPGのアルゴリズムは、脈波の上向きの傾斜がもっとも急な点を基準点として、心拍間隔に使います。2つの連続する最初の基準点が見つかると、2点間のサンプル数を信号のサンプリングレート(サンプリング周波数)で割って(A-D変換を1秒間に行う回数)、心拍間隔が計算されます。
HRV の基礎-アーチファクト除去
時には、アルゴリズムが正常心拍を確認する為の正しいRピークを認識できない場合があります。その時は、ノイズが多いか測定中の身体の動きか異常心拍が原因である可能性があります。
HRV解析は、洞房結節によりつくり出された「正常心拍間隔」のみを対象に行わなければなりません。
その為、HRVソフトウエアは、異常心拍を認識し、それらを計算から除外するか、あるいはそれらを補間値と取り換えた上で、HRV基準に従って適切に処理しなければなりません。
又、HRV基準により、ソフトウエアは、「テスト記録中もしくはテスト後に除外もしくは補間されたそれらのイベントが確認できるアルゴリズム」を持たなければなりません。
HRV の基礎-時間領域解析
HRV解析は、時間領域と周波数領域の2つの領域の指標を計算します。
時間領域指標は、正常心拍間隔から計算される統計的変数です。異常心拍はこれらの計算から除外されます。
これらの指標を、HRS PEの実例で説明します。(HRS PEグラフ表示)グラフ②
HRVの基礎-周波数領域解析
周波数領域指標は、正常心拍間隔から得られた時系列データに対して、FFT(高速フーリエ変換)、AR(自己回帰モデル)、WLA(ウエーブレット変換)、LT(ローム変換)等を使ってスペクトル変換し、計算されます。これら全ての変換法に共通する事は、心拍の時系列データ)にスペクトル解析を適用し、分解して簡単な調和のとれたものにすると言う事です。
連続する心拍間隔は、等間隔でサンプリングされていない為、更にリサンプリングを行います。例えば、Biocomの場合のリサンプリングは1秒間に2回行います。これらの指標を、HRS PE の実例で説明します。
HRVの基礎-健常値(範囲)
全てのHRV指標は、例えば午前中の食事前でゆったりと座った状態を条件として、その条件をできるだけ守って測定したとしても、一定時間内にいろいろ変化します(HRV LiveのLF vs HFグラフで説明)。
テスト結果の指標値が正常かどうかを判断するには、それぞれの指標の正常範囲(健常値巾)が必要になります。そして正常範囲は、一定の標準化されたテスト条件下で適切な方法を使って測定、評価をした上で決められなければなりません。
多くの調査結果から、HRV指標のほとんどが年齢によって有意に変化し、ある程度性別に関係している事が分かっています。
従って、正常範囲を知る為の健常値データベース構築を目的としたテストにおいては、臨床的に健常者として確認された、できるだけ幅広い年齢層で、男性と女性を十分な人数選び、それぞれ同等に分布するようにしなければなりません。信号記録と処理、HRV解析は定められた基準に従って行わなければなりません。又、線形か非線形かの判断を、1次回帰分析と非線形回帰分析を使って、判断をしなければなりません。これは、HRVテスト結果の評価を行う上で、統計的エラーがないかどうかを調べる大切なプロセスになります。
このようなプロセスを経て信頼性のある健常値が出来上がると、被験者の年齢や性に関係なく、同じ方法を使ってテスト結果を健常値と比較する事ができる。
(HRSグラフ表示)グラフ③
HRVの基礎-短時間、長時間
HRV評価には、短時間テスト(5分間)と長時間テスト(24時間)の2つがあります。
短時間HRV評価は、通常被験者の安静状態における5分間の測定から自律神経状態の評価に使われ、長時間HRV評価からは、24時間周期でHRVに何が起こったかの情報が得られ、そして心拍変動に影響を与えるいろいろな要素のそれぞれの影響を個別に評価できる糸口を与えてくれます。
HRVアルゴリズムと測定器-妥当性検証

我々が新しいHRV測定の為のソフトウエアと機器を開発した時、その信頼性がもっとも重要な課題でした。
信頼性を確認する方法としてもっとも広く使われている方法は、既に信頼性が確立されているソフトや機器との比較テストを行い、それらと実質的に同等であるかどうかの検証をする事です。この場合の検証は、1.HRV解析にインプットされるデータの近似性2.それらのデータからアウトプットされる指標の近似性になります。この調査では、全く同じデータを使って2つのソフトウエアから得られたアウトプットの統計的相関を調べなければなりません。高い正の相関関係が認められれば、テスト機器は信頼できると判断できます。
以下は、例としてBiocomのHRSとHeartMath STAARで使われている HRV研究用測定機器との比較テスト結果です。
HRVとANSの関係
では、何故HRVはそんなに重要なのか?臨床応用においてどのような価値ある情報を提供できるのであろうか?
過去50年近く、HRVに関する多くの研究が行われ、その生理学的理解が進み臨床的価値が確立されました。
これを簡単に表現すると、HRVは、他の身体の調節機序と同様に、心拍リズムに影響を与える自律神経系の機能評価を行う方法だと言えます。
自律神経の交感神経と副交感神経部門の調節活動が心拍変動の主な原因である事はこれまでに分かっています。しかしながら、体温調節、日内変動、呼吸、ホルモン放出などもHRVに影響を与えています。
ANS評価の重要性
HRVは、自律神経の2つの部門である交感神経および副交感神経機能について、非侵襲で、比較的簡単に量的測定ができる事が証明された唯一の方法です。
自律神経は、身体の基本的機能である呼吸、血液循環、体温調節、消化、代謝などを調節する、進化論的にはもっとも古い器官として知られています。
自律神経は、本来的に身体のライフサポートであり、厳しい環境下での生存の役割を果たしています。
安全な状態にある時は、自律神経は身体のエネルギーを保存し回復を図り、危険に直面する時は生存の為の「闘争か逃避」反応を引き起こす。
長期にわたるストレスが慢性的ストレスを引き起こし、それに原因する疲労から身体の不適応とホメオスタチス維持の不全などの経路を辿り、疾病発現の原因となる事が知られています。
この事から、自律神経機能評価は、身体の不適応の早期発見と疾病発現のリスクをモニタリングする為の最善の方法の一つだと思われます。自律神経は身体の調節に大きく関与するが、それは非特異的である為(原因が特定できない)、その機能評価は特定の診断目的ではなく、健康と疾病の包括的予測因子として有用であると考えられています。
HRVの標準化-1996年特別委員会によるガイドライン
1960年代半ばまで、研究者はそれぞれ独自のHRV解析と結果の解釈を行っていました。その為、それぞれの研究結果の比較が非常に難しく、臨床の場での応用も難しくしていました。
そのような状況から、1996年、ヨーロッパ心臓病学会と北米ペーシングおよび電気生理学会による特別調査委員会が設置され、HRVの測定方法、生理学的解釈と臨床応用についての基準がガイドラインとして提案されました。
この基準の設定により、HRVの研究に更に拍車がかかり、特に医療専門家による臨床応用が進んできました。
HRVアプリケーション‐バイオメディカル研究と臨床応用
過去数十年間に、HRVは、バイオメディカル研究と臨床応用の多くの分野で、健康評価の為に使われるようになりました。例として、
- 自律神経障害
- 心血管系疾患
- 糖尿病、甲状腺障害などの代謝系疾患
- 免疫障害
- ストレスに関連する障害(例:PTSD)
- 慢性疲労
- 線維筋痛症、リューマチ性関節炎
- スポーツと肉体的パフォーマンス
- その他
HRVの将来-モバイル機器
ここ数年間に、スマートフォンやタブレット型のモバイルテクノロジーが急激な進歩をとげ、それが健康産業に大きな影響を与えています。数多くの企業家が、これらのモバイル機器を使って消費者向けや専門家向けの健康に関するソリューションを提供するビジネスを目指しています。それは、健康分野における既存の大手企業においても同様です。
そのような数多くのモバイル機器の中でも、HRVを活用した製品が簡単に短時間で健康評価ができ、又その改善が図れるとして注目を浴びています。そしてHRV テストを利用した、フィツトネスとスポーツパフォーマンス改善の為の製品も開発されるようになりました。
米国の例としては、Rejiva, HeartMath emWave, Biocom FitPal, Azumio Stress Check and Stress Doctor, HeartMath InnerBalance, Sweet Waterなど、そして日本ではBiocomのアルゴリズムを使ったDUMSCOの「ストレスキャン」があります。
モバイル機器を使って、HRV解析による健康評価の為のデータ収集は、ほとんどの場合、特別にデザインした軽量の携帯用ECGもしくはPPGセンサをモバイル機器に有線、あるいは無線で接続します。
つい最近、モバイル機器を利用した新しいHRデータ収集方法が、市場で大きな反響を呼んでいます。それは、携帯やスマートフォンにビルトインされたカメラをセンサとして使うテクノロジーです。それは、現段階では心拍変動解析の為のデータに医学レベルの正確さを期待できるものではありませんが、簡単で無料あるいは低コストで行える健康評価の予備テストの為の機器としての位置づけができるのではないかと思われます。
HRVの将来-ANSとストレスモニタリング
HRV解析を使ったもっとも重要なアプリケーションは、個人のストレスレベル評価のモニタリングだと考えます。
ストレスは、急速に変化を続ける現在社会において多くの疾病発現の大きな原因だと考えられています。
ストレスは直接に自律神経機能にリンクされています。自律神経は、通常は様々なストレスに対して適切な反応を繰り返しながら健康維持に努めていますが、特定のストレスに慢性的にさらされ、その回復が不十分な状態が継続すると、「アロスタチックストレス(ロード)レベル=急性ストレスの継続が、適応機能の限界」を超えて身体の諸機能が破たんし、様々な疾病症状を引き起こします。
ストレスレベル評価が簡単に短時間で行う事ができれば、ストレスに対処する為の有用なツールとなります。自律神経機能の測定に使うHRV方法は、正しく使う限り、もっとも簡単で非侵襲で安価で、しかも日常生活のストレスレベルを測定するには十分な正確さを持っています。
(*アロスタシス(allostasis、動的適応能)とは、変化することで体内環境の安定性( ホメオスタシス)を維持することを意味し、急性のストレスに対し適応していくプロセスを 説明する概念として用いられる)
HRVの将来-HRVバイオフィードバック
HRV解析は、単に健康やストレス評価だけではなく、その改善に活用する事ができます。
薬物や侵襲的な治療法を使わずに健康改善が図れるもっとも有効な方法の一つは、バイオフィードバックです。過去20年間、HRVバイオフィードバックとそのテクノロジーが、自律神経機能改善の方法として開発されてきました。その中で、もっとも一般的なバイオフィードバックアプリケーションは、規則正しい深呼吸による副交感神経機能の改善です。これは圧受容体反射に系統的に刺激を与える方法です。
これまでの研究結果で、この訓練を系統的に行う事により、ストレスに原因する高血圧などの生理的機能やPTSD症状を改善できる事が証明されています。
今日、最新のものではモバイルのプラットフォームを含め、多くのHRVバイオフィードバック製品が出回っています。例えば、 Biocom Heart Tracker, HearthMath emWave, Respirate, Stress Eraserなどがあります。
HRVの将来-健康評価の新しい方法
一般の人にHRV解析機器を使って頂く上で、もっとも大きなチャレンジは、テスト結果を彼らの健康評価に結びつけて説明、理解して貰う事です。それは、HRVを使って行う測定の複雑さに関係しています。
科学者(医師)とテクノロジーの開発者は共同で、この点の解決を図る方法を模索しています。
宇宙医学の専門家でHRV解析開発のパイオニアであるロシア科学アカデミーの研究員たちは、この点の解決に20年近くを費やしてきました。非常に大がかりな国際的プロジェクトであるMars-500(火星有人探査飛行プロジェクト)で火星までの長時間飛行のシミュレーションの中で、一般の健康評価と疾病開発リスクを評価できる新しい方法を開発しました。彼らは、短時間(5分間)安静状態HRVテスト結果と、身体の体内調節活動レベルおよび適応の為のリザーブレベルの2つの指標をプロットした特別のダイアグラムを使った健康評価から、複雑な数学的モデルを開発しました。
研究結果から、基本的に健康状態がどのような経路を辿って疾病発現に到るかが分かりました。
この方法を使って、以下の4つの健康状態の量的評価が行なえます。この研究者たちとBiocomは、このテクノロジーを使った新しい製品の開発を行っているところです。
HRVの将来-動物の健康評価の為のツール
過去10年近く、HRV解析を動物の健康に適用しようとの研究行われてきています。HRV解析の動物への応用において重要な点は、動物に対するテストの標準化の難しさ、動物が自身の健康状態を説明する事ができない事、周波数領域解析の為の交感神経および副交感神経緊張に反応する周波数帯の確認、異なる動物の異なる種類の健常値域の確立などの困難に加えて、テスト中の体動のコントロールやその他のノイズへの対応、動物のモニタリングに適したセンサ、アルゴリズム、機器の開発など様々なチャレンジが考えられます。
にもかかわらず、これまでに行われた特に大きな動物の研究結果からは、人間のHRVとの高い類似性が示唆されおり、ある研究では、HRVが競走馬の怪我や疾病予測に非常に有用であったとの報告もされています。
又、HRVを使った別の研究では、相互依存している馬同士の場合(母親と仔馬など)が離れ離れになった時にお互いに非常に強いストレス反応を示し、一緒にいる時のHRVパターンは重なり合っていたとの報告もあります。又、馬と人間のインタラクションの場合は、人間が馬に対して愛情を持って接した時の人間のHRVの0.1サイクル/秒の付近に周波数スパイクが表れ、それは馬のHRV周波数が人間の周波数サイクルに影響を与えたのであって、その逆ではないように思える、との報告もあります。
人間におけるHRV解析は、自律神経機能評価に始まり、ストレス、慢性疲労、疾病発現予測、バイオフィードバックを使った自律神経機能改善などが、測定アルゴリズムと機器の進化の中で実現されてきました。これまでの蓄積を活用し、動物の独自性に関わる研究上の様々な困難を乗り越え、動物の将来に明るい光を投げかけて頂けますよう、米国において「動物愛護協会」にボランティアとして参加をしています、動物が好きでたまらない一個人としてもお願い申し上げます。
結論
HRV解析方法は進化を続け、臨床研究と健康産業での利用が顕著ですが、他の成熟した医学分野に較べれば、まだまだ初期の段階だと言えます。
同時に、現在のHRVに関する研究への関心の大きさとテクノロジー開発の急激な成長が、近い将来、診療の場や消費者用の健康機器において、体温や血圧を測ると同様にHRVが健康指標として使われる日が近い事を感じさせます。
出典資料:Biocom社


